ZABADAK吉良知彦さんの訃報をうけて

2016年7月3日、敬愛するミュージシャンZABADAK吉良知彦さんが亡くなりました。
ご家族は言うまでもなく、交友の深かった皆様の悲しみの深さは想像を絶するものでしょう。
心からお悔やみを申し上げます。

稀有な才能と人格をお持ちだった吉良さんの訃報は、あっと言う間にネットのニュースやSNSを駆け巡りました。
多くのファンが悲しみ打ちのめされ、それは私も例外ではありませんでした。
この2週間というもの、ツイッターやフェイスブックでの軽妙なやり取りや、吉良さんとの小さな思い出の数々を振り返っては涙し懐かしんでいます。

私はザバ歴3年という歴の浅いファンです。
初めてZABADAKの音を聞いたとき、世界中の情景がスライドショーのように、目の前に広がっては切り替わるという経験をしました。以来、その世界観と才能の虜となり、ライブやCDを聴いては宇宙や世界にトリップする旅人となります。
さらに私は昨年、ZABADAKの新譜「ここが奈落なら、きみは天使」のCDジャケットとして作品を取り上げていただくという幸運を得ることができ、これは私の人生でも大きな出来事の一つとなりました。

しかし、私にとって一番の思い出は、2014年7月のプログレナイトです。
あれほどのライブは、過去にもこれからも経験が無いのではないでしょうか。あの感動、情熱、ステージと観客の一体感。今思い出しても鳥肌が立つほどです。
そしてあの時の吉良さんがどれほど輝いていたか、言葉では言い表せません。

ファンから見たZABADAK吉良知彦は、間違いなく音楽にすべてを捧げた人だと言えるでしょう。
自分の命が尽き、いつか別の世界で吉良さんに会えるのだとしたら、胸を張れる人間になっていたいと心から思います。

画家 木村佳代子

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